エジプト写真紀行6（現地５日目）
四輪駆動車での砂漠走行の一日
現地５日目の2月8日は 四輪駆動車4台に分乗しての砂漠走行の一日で、今回のエジプト旅行で最も印象に残ったものでした。
先に書きましたように、カイロから砂漠の中を走る道路を西に370キロ バハレイヤ・オアシスまで来て、今日は、更にそこから西南に片道160キロ程の白砂漠と呼ばれるところまで。
途中舗装道路からも外れて 砂漠の中を彼方此方走り回るため四輪駆動車（トヨタのランドクルーザー）四台を連ねて、一日の走行距離は400キロをはるかにを超えたことでしょう。
砂漠の中ですので、ラクダの隊商と同様、車を連ねて行かないと、一台の車では故障したときにお手上げで、無人の砂漠内ゆえ死にも繋がるため、必ず数台で行動することが必要です。
現に 我々のグループでも途中一台のギヤが故障し立ち往生、運転手が数人集まって修理したことがありましたし、四輪駆動でも砂地でステイックして脱出に苦労したことも数度ありました。
このあたりは 太古の火山活動の跡でもあり、火成岩の黒い岩が露出している黒砂漠といわれる地帯や、昔ナイル川がこのあたりまで流れていた折りの水成岩が露出している白砂漠と呼ばれる地帯、或いは石英の露頭のあるクリスタル・マウンテンと呼ばれる地域等々、砂漠といっても景観はいろいろに変化し 飽きない一日でした。
また舗装道路を走っているときでも、他の車に殆ど遭わないのですから、まして道路を外れて砂漠を走り回っていると まさに我々だけが見渡す限りの広さにポツンと存在しているわけで、通常経験しない景観とあわせ、大袈裟に言えば、なにか地球上ではない他の惑星の上に宇宙船で降り立ったような想いすらします。
ガソリンも食料も（昼食は四輪駆動の運転手さんが集まって、持参した野菜やパンなどを簡単に調理してくれました）、車に積んでいるだけ。
方向を見失って 迷子になればそれまでです。
それだけに 素晴らしい景観と、得がたい体験をした思いです。
色々な石を沢山拾う人（結局荷物の重量制限のため殆どをホテルにおいてくる破目になりますが・・・）、隠れる物陰が無いので、女性などは日傘を拡げてその陰で用を足すなど、数々の変った体験に富んだ一日でした。
我々は一日だけですが、欧米人はシープに寝袋も積んで、1週間程度の砂漠サファリを楽しむ人もいるようで、砂漠は夜冷えるだけに、寝袋に包まって満天の星を見ながら、無人の砂漠に寝るのも楽しいことでしょう。
（勿論 運転手ガイドは現地のベトウイン族が務め、そのため最近のベトウインは観光収入でかなりの現金を得ている人が多いとのことです）。