第十四日目 2011年3月30日
      テヘラン観光後 帰国の途に

この日テヘランの観光をして そのまま夜テヘラン空港から帰国の途に就くこと
になります。


9:30ホテルを出てテヘラン観光へ。

テヘランは 1795年からイランの首都で 20世紀初頭からパフラビー王朝の下で
近代都市として整備され市街地人口約七百万人ですが 周辺からテヘランへ出
勤する人も多いので 昼間人口は1000万人を超す大都市です。(標高1200m)

ただ平素は混雑もひどいのですが今はイランの正月時期なので比較的街は空い
ており、朝ホテル窓より雪を被った山々が眺められましたし 観光の車窓からイラン
の最高峰ダマバンド山(5671m)が眺められました。
(ダマバンド山の写真はパンフレットから)

ダマバンド山がテヘランからはっきり見えるのは年に数回あるかないかというという
ことですが、テヘランも東京と同じで正月は皆休みをとって帰省し、経済活動が静
かになると空気が澄むせいでしょう。


10
:00 サーダバード宮殿へ。


テヘランの北端の山の懐1700mの高台110haの敷地に建てられたハフラビー
王朝の18の宮殿は 今は博物館になっています。

広い敷地内に各宮殿が点在し 中をめぐるシャトルバスが走っているほど。

軍事博物館やパーレヴィ(ハフラヴィー)国王の車のコレクションなどの建物も
あり 庭にはイランの伝説の英雄アーラッシュ(彼の弓で射た矢で国の国土が決
まったとか)、あるいは1921年ペルシャコサック軍団の軍人からクーデターで
覇権を握り1925年ハフラビー王朝の初代皇帝についたレザー・シャーの下肢
像(戦に備えて床に長靴のまま寝ていたとか) 等もありました。

当方が若いころ新聞などでよく見たパーレビー(パフラビー)二世とファラ王妃
が夏の離宮として使っていた「白の宮殿」を見学。


当時の潤沢なオイルマネーを使った豪華なもので 家具はほとんどフランス製、
シャンデリアはチェコ製で、それに特注のペルシャ絨毯が敷き詰められ 豪華
なものです。


ただ残念なことに最近は内部撮影禁止になったそうで、思うように写真を撮れ
ませんでした。

次は 市内のホテルの近くに戻って、11:35〜12:15 イラン絨毯博物館の見学

ここはイラン各地の有名産地から数多くのペルシャ絨毯を集めて1978年開設
されたもので、15世紀から今世紀初頭にかけての名品がそろっており 素晴ら
しいの一語ですね。ここはカメラ持ち込みOKで、絨毯の褪色防止のため照明
は抑えめで フラッシュも禁止ですが 最近のカメラは感光度が高いのでなんと
か写真になります。



イスラム圏では絵柄は幾何学模様や ベイズリー模様などがほとんどで、偶像崇拝
につながるという理由で具象絵画は少ないのですが、イランの場合鹿などの動物
や時には人物も絨毯に織り込んだものもあり、その分具体的で絵柄も豊富ですね。

絨毯を芸術品にまで高めた イラン民族の歴史の所産です。

なかには裏表で図柄の色を変えたものもあり、絨毯に裏表とは?と一瞬訝しく
思うかもしれませんが ここでは部屋の境目に垂らしてドアや仕切りに使うこと
もあるのですね。


昼食は12:40から市内フェルドウスイホテルでの伝統料理アーブグーシュトです。

これは羊肉・ジャガイモ・豆・トマトなどを壺で煮込み、スープを取り出した後
内容物を更に潰して 香草等を加えてナンとともに食べるものですが 特にス
ープが美味しかったですね。

(添乗員の話では 他にも店が沢山あるが、此処が一番美味しいとのこと)



それよりも嬉しかったのはここで水煙草が吸えたこと!。

イランもレストランの中では禁煙がほとんどとなり ことに我々グループツアーでは
それを厳守しているのですが、ここは伝統料理の店なので イラン人たちも我々の
テーブルのすぐ隣でプカプカやっています。

少し離れた空席に水煙草を準備してもらい 例によって食事もそこそこにゆったり
と水煙草を楽しみました。

昼食後は13:50〜15:30までテヘランの考古学博物館見学です。

ここはイラン最大の博物館で、紀元前6000年から19世紀に至るまでのイラン
各地で発掘された貴重な品々の宝庫です。

チョガザンビルやペルセポリスの壁の一部、ビシャプールのモザイク、塩の中か
ら発見された髪の毛も残っているソルト・マンなどなど。

ただ残念なことに此処も最近カメラ持ち込み禁止で 身体検査もあり カメラその
他一切バスの中に残して入館。展示品のカタログや絵葉書も無いのが困ったも
のです。


上の博物館外観写真も 退館後 バスに戻ってカメラを取り出し撮影した始末。

(ここで初日の添付資料と重複するようですが、旅行社が途中配ってくれた「イラン
の歴史・観光早見表」が 今回の観光場所と時代との関連づけに便利かと思います
ので添付しておきましょう)



さてこれでイラン観光の全スケジュールを終了。

15:30 バスでテヘラン国際空港へ向かいます。

途中 1989年に亡くなったイマーム・ホセインの墓所を車窓から眺めながら16:31
空港に到着。


チェックインも無事済ませ、しばらく待機の後 20:30テヘラン離陸。

後は途中寄港の北京に寄って 一路成田へです。

(次回最終回は例によって「旅の雑感」でも綴っておしまいにしましょう)


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